| 耐震診断をめぐる動向 |
| ◆公共施設:耐震診断士足りず、補強入札辞退も相次ぐ |
|
公共施設の「耐震診断」「耐震補強設計」の指名競争入札で業者の辞退が相次ぎ、入札が成立しない事態が起きている。自治体が一斉に耐震化に力を入れ始めた結果、耐震診断のできる建築士が足りず、需要に追いつかない格好だ。国土交通省は15年度までの耐震化を求めているが、建築士を取り合う自治体からは「計画見直しが必要になりそうだ」という声が上がっている。 埼玉県蓮田市では4~9月、小中学校の耐震診断の指名競争入札3件で指名された8社すべてが辞退。群馬県でも同時期、県立学校9校の耐震補強設計を予定したが、指名された業者が「忙しくて手が回らない」と辞退し、入札不成立に終わるケースが数件あった。同県教委の担当者は「県外の業者も指名に加えようとしたが、忙しいのはどこも同じ状況と聞く。来年度は入札時期を早めて業者を確保したい」という。 特に学校施設については、文部科学省が11年度までに震度6強以上の大規模地震に耐えられる耐震化を求めている。同省施設助成課は「耐震化が思うように進まないという声を聞くが、子供の安全確保が重要。目標通りに取り組んでほしい」と話す。だが、状況は厳しい。 山形県村山総合支庁や埼玉県北本市発注の耐震補強設計でも入札が中止になっており、同市の担当者は「自治体間で業者の取り合いになっている。耐震化計画の先送りが必要かもしれない」と言う。建築士ら約4000人が加盟する日本建築構造技術者協会は「耐震診断は建築士の熟練が必要。すぐには養成できず、一部の建築士に依頼が殺到している」と説明する。 一方、学校施設以外の入札も不調だ。埼玉県では4~9月、県施設を耐震診断する指名競争入札11件のうち、業者が辞退したため笹目川排水機場など8件が成立しなかった。 国交省は一般住宅を含め、耐震化率9割以上を自治体に求めている。だが、同省建築指導課によると、こうした建築士不足は全国的に起きているといい、「耐震化の進展状況や建築士の人数など地域によって事情が違うようだ。現状を分析して対策を考えたい」としている。 |
|
(2008年11月13日 毎日jp)
|
|
|