ホーム > よくわかる構造計画 > よくわかる一般診断法

タイトル よくわかる 一般診断法
よくわかる一般診断法(2004年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」)
精密診断法限界耐力計算による診断

一般診断法に必要な「上部構造評点」を算出するためのQr【必要耐力】Pd【保有耐力】の計算式をご紹介します。


上部構造評点

1.5以上 倒壊しない
1.0~1.5 一応倒壊しない
0.7~1.0 倒壊する可能性がある
0.7未満 倒壊する可能性が高い

必要耐力 保有耐力



◆各項目をクリックすると詳細へジャンプします
Qr 必要耐力
1
床面積床面積
23
必要耐力係数必要耐力係数
床面積当たり
建物重さ別
Min:0.28
Max:2.07
4
多雪区域加算多雪区域加算
通常値:0
割増値:0.26~0.52
5
地震係数Z地震係数Z
1.0:一般地域
0.9:秋田県他
0.8:山口県他
0.7:沖縄県
6
軟弱地盤割増軟弱地盤割増
通常値:1.0
割増値:1.5
7
形状割増形状割増
通常値:1.0
割増値:1.13

Case略算法
通常値:1.0
割増値:1.13
Case精算法
通常値:1.0
割増値:1.15、1.30
8
混構造割増混構造割増
通常値:1.0
割増値:1.2
1 床面積(m2)

2 必要耐力係数(kN/m2) …床面積当たり
床面積当たりの必要耐力 (kN/m2)
・建物の階数別
・建物の重さ別(軽い建物、重い建物、非常に重い建物)

◆床面積あたりの必要耐力係数(略算法)
____
対象建物
軽い建物
重い建物
非常に重い建物
平屋建て 0.28Z 0.40Z 0.64Z
2階建て 2階 0.37Z 0.53Z 0.78Z
1階 0.83Z 1.06Z 1.41Z
3階建て 3階 0.43Z 0.62Z 0.91Z
2階 0.98Z 1.25Z 1.59Z
1階 1.34Z 1.66Z 2.07Z

◆床面積あたりの必要耐力係数(精算法)
____
対象建物
軽い建物
重い建物
非常に重い建物
平屋建て 0.28×Z 0.40×Z 0.64×Z
2階建て 2階 0.28×K2×Z 0.40×K2×Z 0.64×K2×Z
1階 0.72×K1×Z 0.92×K1×Z 1.22×K1×Z
3階建て 3階 0.28×K6×Z 0.40×K6×Z 0.64×K6×Z
2階 0.72×K4×K5×Z 0.92×K4×K5×Z 1.22×K4×K5×Z
1階 1.16×K3×Z 1.44×K3×Z 1.80×K3×Z
3 建物の重さ
建物の重さ(主に、屋根材等により決定)により、【必要耐力係数】が割増される。
[軽い建物]…石綿スレート板、鉄板葺
[重い建物]…桟瓦葺 (軽い建物の1.2~1.4倍割増)
[非常に重い建物]…土葺瓦屋根、土塗壁 (軽い建物の1.7~2.2倍割増)

4 多雪区域加算
多雪区域では、積雪深により、積雪1mのとき0.26(kN/m2)、積雪2mのとき0.52(kN/m2)を加算する。

5 地震係数Z
令第88条に規定する地震地域係数
[1.0]・・・多くの地域が1.0。東京都、関東各県、静岡県、他
[0.9]・・・北海道の一部、秋田県、山形県、新潟県、他
[0.8]・・・北海道の一部、山口県、佐賀県、長崎県、他
[0.7]・・・沖縄県のみ

6 軟弱地盤割増
地盤が著しく軟弱と思われる敷地の場合は、【必要耐力】を1.5倍する。
通常値: 1.0
軟弱地盤: 1.5

7 形状割増
2階建ての1階、3階建ての1、2階については、短辺の長さが4.0m未満の場合、その階の必要耐力を1.13倍する。
通常値: 1.0
短辺が4.0m未満: 1.13

Case略算法      Case精算法
通常値:1.0         通常値:1.0
割増値:1.13        割増値:1.15、1.30

8 混構造割増
1階部分が、 鉄骨造または鉄筋コンクリート造の場合は、【必要耐力】を1.2倍する。
通常値: 1.0
鉄骨造または鉄筋コンクリート造: 1.2

  ↑必要耐力トップへ  ↑ページトップへ


◆各項目をクリックすると詳細へジャンプします
Pd 保有耐力
P 壁強さ
無開口壁耐力Pw 無開口壁耐力
C
壁強さ倍率壁強さ倍率
1.9~
9.8kN/m
L
壁長さ壁長さ
0.6~
f
接合部耐力低減係数接合部耐力低減係数
Ba
基礎仕様低減を含む基礎仕様低減を含む
通常値: 1.0
低減値: 0.2~0.9
Pe
その他耐震要素の耐力その他耐震要素の耐力
●在来軸組構法(方法1)の場合⇒0.25×Qr

●伝統構法(方法2)の場合
⇒柱小径、垂壁スパン、垂壁厚さ
E
耐力要素の配置等による低減係数耐力要素の配置等による低減係数
通常値: 1.0
低減値: 0.3~0.8
(床仕様により、さらに低減する)
D
劣化度劣化度
劣化無し: 1.0
劣化大 :~0.7
(一般診断用全体劣化)
壁強さ(壁の耐震強さ)
P【壁強さ】=Pw【壁の耐力】+Pe【その他耐震要素の耐力】

Pw 無開口壁耐力
Pw=Σ(C*L*f)
C 壁強さ倍率
間仕切壁、外壁の仕様別(下地材・仕上材、筋違、面材等)の壁倍率。筋違・壁下地材両面の値の和とする。
合計値が9.8kN/mを超える場合は、9.8kN/mとする。
壁仕様が不明の場合は、C=1.96(kN/m)として代用。

◆工法と壁強さ倍率
工法の種類 壁強さ倍率
(kN/m)
土塗り壁 塗厚5cm未満 1.7
塗厚5cm以上~7cm未満 2.2
塗厚7cm以上~9cm未満 3.5
塗り厚9cm以上 3.9
筋かい鉄筋9φ 1.6
筋かい木材15×90以上 端部金物あり 1.6
端部金物なし 1.6
筋かい木材30×90以上 端部金物あり 2.4
端部金物なし 1.9
筋かい木材45×90以上 端部金物あり 3.2
端部金物なし 2.6
筋かい木材90×90以上 端部金物あり 4.8
端部金物なし 2.9
木ずりを釘打ちした壁 1.1 (1.1)
構造用合板 5.2 (3.0)
構造用パネル(OSB) 5.0 (3.0)
硬質木片セメント板 4.1 (3.0)
フレキシブルボード 3.5 (2.8)
石綿パーライト板 3.4 (2.8〉
石綿ケイ酸カルシウム板 2.9 (2.5)
炭酸マグネシウム板 2.8 (2.5)
パルプセメント板 2.7 (2.4)
シージングボード 2.0 (2.0)
ラスシート 2.7 (2.4)
モルタル塗り壁 1.6
窯業系サイディング張り 1.7 (1.7)
石膏ボード張り 1.2 (1.2)
化粧合板(厚5.5:大壁) 1.4 (1.4)
構造用合板(非耐力壁仕様) 2.5 (2.3)
化粧合板(厚5.5:真壁) 1.0 (1.0)
※()内は胴縁仕様の場合
Ex. 筋違ありで両面セッコウボード=3.2+1.2×2
=5.6kN/m


L 壁長さ
無開口壁の長さのみ。
筋かいにおいては、90cm以上を有効とする。
面材においては、60cm以上を有効とする。

f 柱接合部による耐力低減係数(1.0~0.2)
壁端柱の柱頭・柱脚の種類による低減する。(但し、壁倍率、基礎の種類別)
接合部 平12建告1460号に適合する仕様
接合部 羽子板ボルト、山形プレートVP、かど金物
接合部 ほぞ差し、釘打ち、かすがい等(両端が通し柱の場合)
接合部 ほぞ差し、釘打ち、かすがい等

◆壁端柱の柱頭、柱脚接合部の種類による耐力低減係数
[1]最上階(平屋建てを含む)
壁強さ倍率C 2.5kN/m未満 2.5以上4.0未満 4.0以上6.0未満 6.0以上
  基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
接合部
1.0 0.85 0.7 1.0 0.7 0.35 1.0 0.6 0.25 1.0 0.6 0.2
接合部
1.0 0.85 0.7 0.8 0.6 0.35 0.65 0.45 0.25 0.5 0.35 0.2
接合部
0.7 0.7 0.7 0.6 0.5 0.35 0.45 0.35 0.25 0.35 0.3 0.2
接合部
0.7 0.7 0.7 0.35 0.35 0.35 0.25 0.25 0.25 0.2 0.2 0.2

[2]2階建ての1階、3階建ての1階及び3階建ての2階
壁強さ倍率C 2.5kN/m未満 2.5以上4.0未満 4.0以上6.0未満 6.0以上
  基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
基礎
接合部
1.0 1.0 1.0 1.0 0.9 0.8 1.0 0.85 0.7 1.0 0.8 0.6
接合部
1.0 1.0 1.0 1.0 0.9 0.8 0.9 0.8 0.7 0.8 0.7 0.6
接合部
1.0 1.0 1.0 0.8 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6
接合部
1.0 1.0 1.0 0.8 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6


Ba 基礎仕様による低減 (上記に含む)
基礎 健全な鉄筋コンクリート布基礎 又は べた基礎
基礎 ひび割れのある鉄筋コンクリート布基礎 又は べた基礎、無筋コンクリートの布基礎、柱脚に足固めを設けた玉石基礎
基礎 その他の基礎

Pe その他耐震要素の耐力
在来軸組構法(方法1)の場合
0.25×Qr 垂壁、腰壁、フレーム効果を考慮し【必要耐力Qr】の25%とする。

伝統構法(方法2)の場合
垂れ壁付き独立柱1本毎に耐力を算定。柱小径、垂壁スパン、垂壁厚さにより耐力定義。


E 耐力要素の配置等による低減係数
平面4分割法により配置のバランスを算定し、状況により低減する。
通常値 : 1.0
配置が不適切 : 0.3~0.8

(床仕様により、さらに低減する)
床仕様:合板
床仕様:火打+荒板
床仕様:火打なし

◆耐力要素の配置等による低減係数(4分割法における充足率)
  X(Y)方向
1/4
0.00~0.32 0.33~0.65 0.66~0.99 1.00~
X(Y)方向4/4 床仕様
0.00~0.32 1.00 0.70 0.60 0.60
1.00 0.50 0.45 0.45
1.00 0.30 0.30 0.30
0.33~0.65 0.70 1.00 0.80 0.75
0.50 1.00 0.80 0.75
0.30 1.00 0.75 0.75
0.66~0.99 0.60 0.80 1.00 1.00
0.45 0.80 1.00 1.00
0.30 0.75 1.00 1.00
1.00~ 0.60 0.75 1.00 1.00
0.45 0.75 1.00 1.00
0.30 0.75 1.00 1.00

ただし表において、

床仕様
診断項目
床倍率
合板 1.00
火打ち+荒板 0.63
火打ちなし 0.39
4m以上の吹き抜けがある場合には、床仕様を1段階下げる。

D 劣化度
(1-劣化点数/存在点数)
0.7未満となった場合は、0.7とする。
劣化無し・・・1.0
劣化大・・・0.7

注) 建築年数により、調査項目が増減する。  
築10年未満
築10年以上

◆老朽度の調査部位と診断項目(チェックシート)
部位 材料、部材等 劣化事象 存在点数 劣化点数
築10年
未満
築10年以上
屋根葺き材 金属板 変退色、さび、さび穴、ずれ、めくれがある 2 2 2
瓦・スレート 割れ、欠け、ずれ、欠落がある
軒・呼び樋 変退色、さび、割れ、ずれ、欠落がある 2 2 2
縦樋 変退色、さび、割れ、ずれ、欠落がある 2 2 2
外壁仕上げ 木製板、合板 水浸み痕、こけ、割れ、抜け節、ずれ、腐朽がある 4 4 4
窯業系サイディング こけ、割れ、ずれ、欠落、シール切れがある
金属サイディング 変退色、さび、さび穴、ずれ、めくれ、目地空き、シール切れがある
モルタル こけ、0.3mm以上の亀裂、剥落がある
露出した躯体 水浸み痕、こけ、腐朽、蟻道、蟻害がある 2 2 2
バルコニ一 手すり壁 木製板、合板 水浸み痕、こけ、割れ、抜け節、ずれ、腐朽がある 1 1
窯業系サイディング こけ、割れ、ずれ、欠落、シール切れがある
金属サイディング 変退色、さび、さび穴、ずれ、めくれ、目地空き、シール切れがある
外壁との接合部 外壁面との接合部に亀裂、隙間、緩み、シール切れ・剥離がある 1 1
床排水 壁面を伝って流れている、または排水の仕組みが無い 1 1
内壁 一般室 内壁、窓下 水浸み痕、はがれ、亀裂、カビがある 2 2 2
浴室 タイル壁 目地の亀裂、タイルの割れがある 2 2 2
タイル以外 水浸み痕、変色、亀裂、カビ、腐朽、蟻害がある
床面 一般室 傾斜、過度の振動、床鳴りがある 2 2 2
廊下 傾斜、過度の振動、床鳴りがある 1 1
床下   基礎の亀裂や床下部材に腐朽、蟻道、蟻害がある 2 2 2
合計      

  ←「木造住宅の耐震診断と補強方法」の概要 ↑保有耐力トップへ 

Pd 保有耐力 Qr 必要耐力 Qr 必要耐力 Pd 保有耐力


imgホームへ