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タイトル よくわかる 限界耐力計算による診断
よくわかる限界耐力計算
一般診断法精密診断法

2004年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」における、考え方。
  ※限界耐力計算による方法は、建築基準法施行令第82条の6に準じる。
  ※評点は、各階各方向の「安全限界時の限界耐力/作用する地震力」の最小値とする。
  ※建物の荷重変形関係の求め方は、テキスト「5.1保有水平耐力計算による方法」に準じる。
<---建築基準法施行令第82条の4「保有水平耐力」の考え方を用いて評点を算出する方法。
  ※安全限界変形に至るまで接合部や床で存在応力を伝達できることを確認する。
  ※ねじれや柔らかい床を持つ構造では、ねじれや柔床を考慮できる立体解析等により荷重変形関係を求める。

参考)建築基準法施行令第82条の6(限界耐力計算)
  一 地震時以外は、施行令82条第一から第三号まに定めるところによる(許容応力度計算)
  二 積雪時又は暴風雨時に、構造耐力上主要な部分の応力が材料強度以下
  三 地震による加速度によって建築物の地上部分の各階に作用する地震力及び各階に生ずる層間変位を
次に定めるところによって計算し、 応力が損傷限界耐力以下かつ層間変形角が1/200以下であること (中規模地震)
  四 地下部分は施行令88条第4項に規定する地震力による許容応力度計算
  五 地震による加速度によって建築物の各階に作用する地震力を次に定めるところによって計算し、
当該地震力が保有水平耐力を超えないことを確かめること。
(最大級地震)
イ 安全限界変位の計算
ロ 安全限界固有周期の計算
ハ 地震により建築物の各階に作用する地震力を、安全限界固有周期に応じて、定める式により計算
  六 第82条第四号の規定(構造耐力上主要な部分である構造部材の変形又は振動によって建築物の使用上の、
支障がおこらないことを確かめる:横架材のたわみの検討)によること
  七 屋根ふき材、外装材等の安全性の確認
平12建告1457号
第1 1 損傷限界固有周期Td
  2 損傷限界地震時の周期調整係数r
第2 損傷限界地震時の加速度分布係数Bdi
第3 安全限界変位
第4 1 安全限界固有周期Ts
  2 安全限界地震時の周期調整係数r
第5 損傷限界地震時の加速度分布係数Bsi
第6 1 減衰による加速度の低減率Fh
  2 建物の減衰を表す数値h
第7 表層地盤による加速度の増幅率Gs
第8 屋根葺材、外装材等の設計規準



【作用する地震力】

建築基準法施行令82条の6の五のハに準じて求める
Qsni 作用する地震力
Sao
応答スペクトル
応答スペクトル
mi
各階の質量
各階の質量
Bsi

加速度の分布係数

減衰による加速度の低減率
【地震係数Z】
表層地盤による加速度の増幅率

※詳細は、作用する地震力 詳細を参照ください。


【安全限界耐力】

荷重変形関係曲線(安全限界用)
の最大荷重点
 
 


壁材種の標準骨格曲線

ねじり補正係数

標準骨格曲線に乗じる係数
壁長さ
 
開口部低減係数
(開口壁のみ)
接合部耐力低減係数接合部耐力低減係数
基礎仕様低減を含む基礎仕様低減を含む
or
壁劣化低減係数

偏心率考慮
① Dc : 壁荷重変形関係曲線
  個々の壁についての変形と荷重の関係を表した曲線 (横軸:変形(単位 mm) 縦軸:荷重(単位 kN))
  dc:壁材種の標準骨格曲線 
壁材種ごとに定められた、荷重と変位量の関係を表す基準となる曲線
  α:ねじれ補正係数
建物の耐力要素の配置が偏っている場合に、壁の配置箇所により揺れ幅が異なることを反映させる係数
  R:標準骨格曲線に乗じる係数=L×K0×min(Cf,Cdw)
     L:壁長さ
     K0:開口部低減係数(開口壁のみ)
     Cf:接合部低減係数(基礎仕様低減を含む)  (Li、K0、Cf、Cdwは精密診断1と同様)
     Cdw:壁劣化低減係数
 
①’伝統工法の場合  無開口壁は上記に同じ。さらに有開口壁においては上記における「壁荷重変形関係曲線」を、
「柱荷重変形関係曲線」として加算。
  ①’=Dc+Dc’=(dc*α*R+dc’*α’*R’)*Fep
  Dc':柱荷重変形関係曲線
  dc’:垂壁付独立柱の標準骨格曲線
柱の材種、小径などによって定められた、変形と荷重の関係を表す基準となる曲線
  α’:ねじれ補正係数
建物の耐力要素の配置が偏っている場合に、垂壁付き独立柱の配置箇所により揺れ幅が異なることを反映させる係数
  R’ :標準骨格曲線に乗じる係数=Cdc
      Cdc:柱劣化低減係数(精密診断1と同様)
   




1.5以上 倒壊しない
1.0~1.5 一応倒壊しない
0.7~1.0 倒壊する可能性がある
0.7未満 倒壊する可能性が高い







よくわかる限界耐力計算(作用する地震力:詳細)

◆各項目をクリックすると詳細へジャンプします

Qsni 作用する地震力
Sao
応答スペクトル
応答スペクトル
mi
各階の質量
各階の質量
Bsi

加速度の分布係数

減衰による加速度の低減率
【地震係数Z】
表層地盤による加速度の増幅率


Tsの値
Sao
Ts<0.16 (3.2+30*Ts)
0.16≦Ts<0.64 8
0.64≦Ts 5.12/Ts

Ts:建築物の安全限界固有周期(単位 秒)【Cf.平12建告1457号第4】
Ts=2π(√(Mus*Δs/Qs))

Mus : 次の式によって計算した建築物の有効質量(単位 t)
Mus = ((Σmiδsi)^2)/(Σmi*(δsi)^2)
Qs : 次に定めるところにより計算した建築物の安全限界耐力(単位 kN)
各階について次の式によって計算した安全限界耐力の1階層せん断力係数換算値qsiのうち最小の値に、建築物の全重量を乗じた値として計算すること。
qsi:第 i 階の保有水平耐力の1階層せん断力係数換算値
qsi=(Qui/Fei((ΣBsi・mi)/(ΣBsi・mi))・Σmi・g))
Qui:第 i 階の保有水平耐力(単位 kN)
Fei:昭和55年建設省告示第1792号に定める基準の第2表2に掲げる建築物の第 i 階におけるFeの数値。
Bsi:加速度分布係数(安全限界地震時の加速度の分布係数)
mi:第 i 階の質量(単位 t)
Qs : 昭55建告第1793号第3によるAi分布に従う水平力(Qi)が順次増大するときに、いずれかの階が最初に保有水平耐力に達する時の1階の層せん断力
Qi=p・q・Mus・Ai・αi
Ai:層せん断力分布係数
Ai=1+((1/√αi)-αi)×2T/(1+3T)
T:建物固有周期 木造=0.03×建物高さh
αi= (i階より上の全重量)/(1階より上の全重量)
Δs : 次の式によって計算した建築物の代表変位(単位 m)
Δs = Σ((mi・δsi)^2)/Σ(mi・δsi)
mi:第i階の質量(単位 t)
δsi:1階の層せん断力がQsであるときの i 階の基礎からの変位(単位 m)

単位 トン

単位 キロニュートン 【Cf.平12建告1457号第5】
各階に生ずる加速度の分布を表すものとして、安全限界固有周期に対応する振動特性に応じて国交大臣が定める基準に従って算出した数値
【Cf.平12建告1457号第5】
Bsi=p*q*(Mus/Σmi)*bsi
 
 
bsi
最上階 1+(√(αi)-αi^2)*(2h(0.02+0.01λ)/(1+3h*(0.02+0.01λ)))*(Σmi/mn)
最上階以外 1+(√(αi)-√(αi+1)-αi^2+αi+1^2)*(2h(0.02+0.01λ)/(1+3h*(0.02+0.01λ)))*(Σmi/mi)
    αi= (i階より上の全重量)/(1階より上の全重量)
h:建築物の高さ(単位m)
λ:建築物のうち柱及びはりの大部分が木造である階の高さの合計hに対する比
mi:第i階の質量
  p:建築物の階数及び安全限界固有周期に応じて次の表に掲げる式によって計算した数値
    Ts≦0.16
 
p
階数1 1.00-(0.20/0.16)*Ts
階数2 1.00-(0.15/0.16)*Ts
階数3 1.00-(0.10/0.16)*Ts
0.16<Ts
 
p
階数1 0.80
階数2 0.85
階数3 0.90
  q:建築物の全質量に対する有効質量の比率(有効質量比)に応じて次の表に掲げる式によって計算した数値
____  
有効質量比<0.75
q=0.75*(Σmi/Mus)
0.75≦有効質量比 q=1.0
Mus:建築物の有効質量
 



安全限界固有周期における振動の減衰による加速度の低減率を表すものとして,国交大臣が定める基準に従って算出した数値
【Cf.平12建告1457号第6】
Fh=1.5/(1+10h)
h:建築物の減衰性を表す数値
◎減衰装置等を伴わない木造住宅の減衰性を表す数値
h=0.2*(1-1√Df)+0.05
Df=(Δs*Qd)/(Δd*Qs)
Df:各部材の塑性の程度を表す数値
Δs:安全限界時における代表変位(単位 m)
Qd:損傷限界耐力(単位 kN)
Δd:損傷限界時における代表変位(単位 m)
Qs:安全限界耐力(単位 kN)
◎制振装置等で耐震補強をおこなった木造住宅の減衰性を表す数値
h=(Σmhei*mWi)/(ΣmWi)+0.05
mhei:耐力要素(含む制振装置等で耐震補強された壁)の減衰定数
2004建防協テキストにおいては、資料編として部材別減衰定数が示されている。
mWi:耐力要素(含む制振装置等で耐震補強された壁)のポテンシャルエネルギー
安全限界変形時の各部材の変形に
その時の各部材の耐力を乗じて2で除した値(単位 kN・m)




令第88条に規定する地震地域係数
[1.0]・・・多くの地域が1.0。東京都、関東各県、静岡県、他
[0.9]・・・秋田県、山形県、新潟県、他
[0.8]・・・山口県、佐賀県、長崎県、他
[0.7]・・・沖縄県のみ



表層地盤による加速度の増幅率を表すものとして、表層地盤の種類に応じて国交大臣が定める方法により算出した数値【Cf.平12建告1457号第7】
ここでは、【平12建告1457号第7第二号】(略算法)によるものとする。
第1種地盤
Tsの値
Gs
Ts<0.576 1.5
0.576≦Ts<0.64 0.864/Ts
0.64≦Ts 1.35
T:建築物の固有周期(単位 秒)
岩盤、硬質砂れき層等主として第三紀以前の地層
第2種地盤
Tsの値
Gs
Ts<0.64 1.5
0.64≦Ts<0.864 1.5・(Ts/0.64)
0.864<Ts 2.025
第1種地盤および第3種以外のもの
第3種地盤
Tsの値
Gs
Ts<0.64 1.5
0.64≦Ts<1.152 1.5・(Ts/0.64)
1.152<Ts 2.7
30mより深い沖積層
腐植土、泥土その他これらに類する盛土
20KN/m2未満

※参考(財)日本住宅・木材技術センター_H17年3月発行「木造軸組み工法住宅の限界耐力計算による設計の手引き」


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